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リヒャルト・シュトラウス サロメ びわ湖ホール
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    沼尻竜典セレクション、2時間ほどのコンパクトなオペラ。ポルトガル国立サン・カルロス劇場共同制作という現代風の演出(最近はこのような形式が多いですね)でした。

    その前に流行の携帯小説について一言。瀬戸内寂聴氏が書いた携帯小説「あしたの虹」が賑やかだ。80歳を超えて新しい境地を開いたとかで、読んでみた。ライブで見たわけではないし、PCでの斜め読みなので、勝手なことは言えないのだが、感想としては私小説がきわまった気がした。余計な描写を削いでしまった、自らのことに専念した、それが良い悪いは別にした無垢な小説だ。源氏物語をモチーフに作成されたらしいが、現代を描写しているし、少女から女性に移り変わる、心の内の描写が数少ない文字の中から浮かび上がる。千年ほど昔の物語も今に生きていることがわかる。

    そして本日のサロメ。初演は1905年年というから、100年ほど前でも受け入れられた物語であったのだろう。

    ここからは私流の解釈。サロメは絶世の美女。自分という存在が、周囲に与える影響を幼い頃から見抜いていた。少女とおとなの端境の微妙なバランスが崩れ、少女のままでいたいという心の中に自らをおいている。

    妙齢になったにも関わらず直接的に寵愛を求めてくるものは拒否し、近づけようとすらしない。しかし自らの美貌に靡かない初めての男に敵愾心と関心を抱く。それが予言者という俗世界との接触を遮ったものであっても、自らに興味を抱かないことに怒りをぶつける。そして命までも求めてしまう。サロメは自らのことを一番に考えて思うがままに行動する。

    「サロメ」と「わたしの虹」の主人公ユーリがダブって仕方なかった。私小説なのだ。回りが何をしようが、自らの思いのままに生きている。およそ2千年前のことを取り上げたサロメ(およそ100年前の制作)と源氏物語と現代の携帯という手法で書かれた小説が、表現方法は別にしても、少女からおとなに変わる(この表現もステレオタイプです〜本当は両者混在)揺れ動く心境を取り上げて効果を上げているのだ。

    オペラの方は、演出も素敵だし、声量もオケも問題なし。初秋のびわ湖での演奏会は楽しかったです。

    それにしても、幕切れとともに発せられる「ブラボー」は興ざめる。歌舞伎じゃないんだから、もう少しほんの2〜3秒でいいから待てないものか。情感が違ってくるはずだが…。
    | HIROOKA | 20:01 | comments(1) | trackbacks(0) |
    Comment
    私は、カロリーネ・グルーバーの演出には
    疑問を持つと共に、理解不能でした。
    お陰で、途中からは舞台を観ず、耳だけで楽しむ、
    そんなオペラになってしまった。
    だから、神奈川県から足を伸ばして行ったことを、
    一寸損した。それが実感です。

    既に2度『サロメ』は観ているが、今回の舞台は、
    全くの期待はずれで、忘れてしまいたい。
    但し、オーケストラと、歌手は良かった。
    それがせめてもの救いでした。
    Posted by: 慎太郎 |at: 2008/10/14 2:32 PM








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