2010.02.07 Sunday
賃金相場を引っ張っていく業界はどこか
JUGEMテーマ:ビジネス
リーディングカンパニーという言葉は、賃金には違和感があるかもしれないが、賃上げにもつきものだ。賃金相場を引っ張ってく企業のことだ。日本の風物詩である(であった)、昇給相場感を形成するに、ふさわしいだけの影響力を持つ企業ということだ。
昇給額あるいは昇給率だけならば、いくらでも高くする事は可能だ。それだけをもってリーディングカンパニーとは言わない。前者は小規模で平均年齢が低ければ可能性は高まるし、後者は分母が小さければ率は高めることが出来る。その条件から当てはめると、規模とある程度の額が必要となる。
賃金相場を引っ張ってきた業界には、主だったところでも繊維・合繊・化学・鉄鋼・電機・車などがある。業界を横断した組合の協調があり、回答日を個別に設けるのではなく、集中した回答日を設け、相場を形成していった。
しかし業界の景気が悪くなることで、全体的な賃金相場間を引き下げることもあり、先頭に立つ企業や業界が変わってきた。鉄鋼など先頭に立つことをやめてしまった業界もある。
その他にも、鉄道や通信なども相場を形成するにふさわしい業界であった。それは影響力という意味で非常に大きな役割を担うからだ。
さて今一度業界の影響という事を考えれば、現在の社会ではどういった産業が考えられるのであろうか。国を代表すると言い換えて良いのかもしれない。衣食住サービスを考えて、日本を代表する業界とは何なのだろう。雇用者数と産業への影響を基準に考えてみよう。
まず考えられるのは、製造加工業であろう。資源の乏しい国である中で、製造加工を通じて付加価値
を生み出す産業。鉄鋼や車などが代表的である。
あまり目立たないが、商社などのサービス分野についても大きな影響を持っている。しかし如何せん規模が比較的小さい。製造業は一所に固まるので、組合にしても統一した歩調をとりやすい。
建設や不動産なども大きな役割であるが、公共事業予算の削減などで相場をリードするだけの力強さに欠ける。ソフト産業も重要ではあるが、規模が小さい。金融や産業インフラあるいは行政は基幹事業という事で、全体が決まってから後追いすることが必然とされている。
そういった視点で考えると、流通の中でコンビニが最も影響力が高いのではないだろうか。全国で数十万件に及ぶコンビニが労働条件の向上を求めて一斉に店を閉じたとしたら、どれだけの影響力があるだろう。流通を含めて考えれば、途方もない影響である。ただコンビニ店は別経営であり、アルバイトが労働者の主流であることからすれば、一斉蜂起は考えられない。
賃金相場が低調な理由が理由は、日本を代表する産業が見あたらないことと、個別事情がかちすぎて全体の相場を形成しにくいということが上げられる。
賃金を云々するよりも、まずは太い産業を構築していくことが、遠回りのようで近道なのかもしれない。
